~終わり~
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[1] 発電機端子において一相が地絡した場合
第1図の回路のように、発電機のa相端子Aが地絡したときの地絡電流及び各相の電圧を求めてみよう。
第1図 一相地絡回路(1)
*** 1 回路条件 ***************************************
*** 2 対称分変換***************************************
電流の対称分変換は、
電圧の対称分変換は、
上式の要素について次式が成立する。
*** 3 対称分回路計算 ***************************************
次に示す「発電機の基本式」において、
すべての行を加えると、
左辺=
右辺=
となり、次の電圧方程式が得られる。
① 式計算の場合 (13)式の電圧方程式から電流 は、
② 図計算の場合 対称分回路から求める場合は、(5)、(9)の両式から、第2図の対称分回路を得る。
第2図 一相地絡回路(1)の対称分回路
したがって、第2図から、 は(14)式となる。
*** 4 逆変換 ***************************************
各相の電流は電流の逆変換式から、次のように計算して求められる。
各相の電圧は次の(17)式に対称分電流(4)式及び(14)式を代入して、
となる。
[2] 電源の中性点にインピーダンス が接続されている場合
回路は第3図となる。この場合の発電機端の電圧及びa相の地絡電流を求めてみよう。
第3図 一相地絡回路(2)
回路条件は前問と同一なので、対称分変換も前問と同一である。
*** 1 回路条件 ***************************************
*** 2 対称分変換***************************************
*** 3 対称分回路計算 ***************************************
この場合の発電機の基本式は零相回路に が加わるので次式となる。
上式ですべての行を加えると次の電圧方程式が得られる。
① 式計算の場合 (27)式の電圧方程式から電流 は、
となる。
第4図 一相地絡回路(2)の対称分回路
② 図計算の場合 対称分回路は第4図のように零相回路に が追加されるだけなので、同図から は(28)式となる。
*** 4 逆変換 ***************************************
各相の電流は、
各相の電圧は次のように(17)式に対称分電流(28)式を代入すれば求められる。
[3] a端子がインピーダンス を通して地絡した場合
第5図の回路でこの場合の地絡電流及び発電機端の電圧を求めてみよう。
第5図 一相地絡回路(3)の対称分回路
*** 1 回路条件 ***************************************
*** 2 対称分変換***************************************
電流の対称分変換は一相地絡回路(1)と同じである。
電圧は回路条件が(32)式なので、電流との関係は、
となるので、電圧の対称分変換は次の解説に従って、(43)式となる。
(43)式で、すべての行を加えると、次式が得られる。
*** 3 対称分回路計算 ***************************************
(43)式右辺第2項を変形すると、(45)式となるから、(43)式は(46)式となる。
発電機基本式と(46)式を等値し((47)式)、整理すると、(48)式となり、同式を整理すると(49)式が得られる。
前式ですべての行を加えれば(50)式となり、整理すれば電圧方程式((51)式)が得られる。
① 式計算の場合 電圧方程式を について解けば、電流 が求まる。
② 図計算の場合 (35)、(44)両式からこの場合の対称分回路は第6図となるので、電流 は同図から(52)式となる。
第6図
*** 4 逆変換 ***************************************
各相の電流は(34)式の関係から次式となる。
各相の電圧は、(17)式に(53)式の関係を代入して、(58)式として求められる。
第7図 一相地絡回路(3)のベクトル図
[1] 二相短絡直接地絡回路
第8図の回路でb相端子とc相端子とが短絡し、直接地絡したときの地絡電流及び健全相(A相)の電圧を求めてみよう。
第8図 二相短絡直接地絡回路
*** 1 回路条件 ***************************************
*** 2 対称分変換 ***************************************
*** 3 対称分回路計算 ***************************************
発電機の基本式((7)式)を電流の対称分について解き、(6)式の関係を代入すれば、(9)式を得る。
(9)式の各行をすべて加えると次式となり、(11)式のように が求まる。
① 式計算の場合 電流の対称分は(9)式に(11)式の を代入して(12)式を得、同式を整理して、(14)式として求まる。
② 図計算の場合 (4)、(6)両式から第9図の対称分回路を得る。
第9図 二相短絡直接地絡回路の対称分回路
したがって、電流 は同図から次の各式で求められる。
*** 4 逆変換 ***************************************
各相の電流は、
各相の電圧は、
[2] 二相短絡インピーダンス地絡回路
第10図の回路でb相端子とc相端子とが短絡し、インピーダンス を通して地絡したときの地絡電流及び発電機端の電圧を求めてみよう。
第10図 二相短絡インピーダンス地絡回路
*** 1 回路条件 ***************************************
*** 2 対称分変換 ***************************************
前式のすべての行を加えると、
前式で第2行と第3行は等しいので、
電圧と電流との関係は回路条件から、
であり、前式の対称分変換はZI項の対称分が(31-1)式で,その結果は(32)式となるので、対称分電圧は(33)式となる。
(33)式で第1行から第2行を引くと(34)式となり、(35)式の電圧方程式が得られる。
*** 3 対称分回路計算 ***************************************
① 式計算の場合
前式を発電機の基本式と等値すると(37)式、更に整理すると、(38)式となり、
前式を電流の対称分について解けば(39)式が成立し、同式を(7)~(14)式に倣って解けば(40)式を得る。
② 図計算の場合 (27)、(29)、(35)式の3式の関係は、対称分回路が第11図であることを示している。
第11図 二相短絡インピーダンス地絡回路の対称分回路
したがって、電流 は同図より、次のように計算される。
*** 4 逆変換 ***************************************
各相の電流は、
各相の電圧は、