〜終わり〜
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三つの端子間のインピーダンス結線にはΔ結線とY結線とがあり、インピーダンスを等価に保ったまま相互に変換することができる。三相交流回路では、電源の結線にもΔ結線、Y結線があるため、等価変換により結線を統一すれば計算が容易になる。また、一般の交流回路においてもインピーダンスをΔーY変換して回路構成を直並列回路に書き直せれば計算は簡単になる。ここでは、Δ結線からY結線、Y結線からΔ結線への変換公式を導くとともに、具体例により、問題を簡単化して解く方法を解説する。
(式の覚え方の例) 第1図のΔ回路のa端子から見て、両側のインピーダンスの積を三つのインピーダンスの和で割る。他も同様。
平衡三相回路では第3図に示すように
の関係がある。一般的に言えば、Δ→Y変換は利用度が高いが、 Y→Δ変換公式を示せば次のようになる。
(式の覚え方の例)
分子はいずれも三組の積で共通である。分母はそのインピーダンスから遠い端子の記号をもつインピーダンス、例えば の場合遠い端子はcであるから、 とする。
[例題1]第4図の回路において、端子xy間の合成抵抗はいくらになるか。
(ヒント)
第4図の回路を第5図のように端子abcに着目し、等価なY回路に変換すると第6図のようになり、直並列計算が可能になる。
(答)
[例題2]第7図の平衡三相回路について、次の(a)及び(b)に答えよ。
端子a,cに100[V]の単相交流電源を接続したところ、回路の消費電力は200[W]であった、抵抗R[Ω]の値として、正しいのは次のうちどれか。
(1)0.30 (2)30 (3)33 (4)50 (5)83
(b) 端子a,b,cに線間電圧200[V]の対称三相交流電源を接続したときの全消費電力[kW]の値として正しいのは次のうちどれか
(1)0.48 (2)0.80 (3)1.2 (4)1.6 (5)4.0
(解答)(a)端子a,cに100Vの単相交流電源を印加した場合、回路の合成抵抗Racは [Ω]となる
ここで消費電力が200Wであることから より
(b)端子a,b,cに線間電圧200Vの対称三相交流電源を印加した場合、Δ結線の抵抗をΔ→Y変換すると第8図のようになる。
ここで、R=30Ωであることから、負荷の一相分の抵抗値は25Ωとなる。
したがって、三相消費電力P3[W]は線間電圧Vl、線電流Ilとすると
[解答]
Δ結線の負荷をY結線に変換すると
[解答]
Δ結線の静電容量CをY結線に換算すると、3Cになる。一相当たりのインピーダンスは、抵抗Rと容量リアクタンス の並列回路になる。
抵抗Rに流れる電流をIR 容量リアクタンスXCに流れる電流をIC、Y結線の相電圧をEとすると、力率cosθは (第11図参照)
正解は(1)