定期点検は、日常点検で実施できない項目を停電させて重点的に点検することが大切です。
その主な点検ポイントを第1表に掲げます。
自家用電気設備の定期点検は、年に1回程度の頻度で、電気設備を停止させて日常点検のほかに、測定器具などを使用して、接地抵抗測定、絶縁抵抗測定、保護継電器装置の動作試験などを行うとともに、活線状態では点検できない充電部の緩み・たわみ、注油、清掃などを実施します。本講では、定期点検の実施と留意事項について解説します。
Update Required To play the media you will need to either update your browser to a recent version or update your Flash plugin.
※テキスト中の図はクリックすると大きく表示されます
定期点検を実施するにあたっての一般的な事項及び留意事項を列記すると次のようになります。
- 点検実施者は、事前に作業内容、作業予定、作業時間など、綿密な打合せを行うこと。
- 電気設備、機器の構造などをよく理解し、現場の実状を把握すること。
- 常に安全に対して自覚し、自己の経験を過信しないこと。
- 作業時間は十分に余裕をとり、常に周到な準備をして行動すること。
- 思いつき作業は絶対に行わないこと。
- 万一事故が発生した場合にも、あわてずに行動できるように努めること。
- 安全用具などは、「安全用具の使用基準」に従って装着すること。
- 服装は作業に適したものを着用すること。
- 送電または停電する場合は、綿密な打合せをしてから実施すること。
- 電路に触れるときには、必ず検電器で検電し、無電圧であることを確認すること。また、作業を 中断して再度実施するときにも、必ず再度検電を行うこと。
- 金属箱内の点検時には、検電器で金属箱面に電位のないことを確認すること。
- 2名以上の人員で作業を行う場合は、作業責任者を定め、作業責任者及び作業者は所定の腕章を 着用すること。
- 高圧活線近接作業を行う場合は、絶縁用保護具・防具を使用すること。
- 物体の落下及び飛来、機械の回転・移動など、作業まわりの安全に注意すること。
- 作業を進めるうえで、不安全動作となるような施設がある場合には、安全対策を講じたうえで作 業を進めるか、作業を保留する措置をとること。
- 電気設備を停電して作業を行うので、停電時間及び停電範囲の周知徹底を図ること。
- 作業前に、試験器・工具、絶縁用保護具・防具などの員数及び損傷の有無を確認する。異常があ る場合は、直ちに補修するか取り替える。作業終了後は、その員数の確認を行うこと。
- 作業責任者は、作業者の配置と作業内容、作業方法、作業手順、作業時間、充電部と停電範囲、 送電時間、検電、短絡接地器具の取り付け及び安全用具の装着などについて周知徹底すること。
- 作業責任者は、作業の安全を確保するため、原則として機器の操作などは行わず、常に作業者の 安全を監視し、作業方法について適切な指示を与えながら任務を遂行すること。
- 作業者は作業責任者の指示に従うとともに、作業内容を十分に理解し、決められた作業手順によ り安全に作業を行うこと。
- 作業現場には、作業者以外の公衆が立ち入らないよう必要に応じてロープで区画し、「立入禁止」 の標識板を取り付けること。また、誤操作を防止するため、遮断器や開閉器などには、「投入禁止」、 「短絡接地中」などの標識板を取り付けること。
- 充電部には、充電標示器や「充電中」の標識板を取り付けること。
- 高圧電路を開放したときは、必ず残留電荷を放電すること。
- 作業終了にあたっては、点検作業の対象になった設備を作業前の状態に戻し、復電可能な態勢に なったことを確認すること。
- 復電するときには、作業者全員が感電の危険のある位置を離れたこと、短絡接地器具を取り外し たことなど、安全を十分に確認したうえで通電すること。
~終わり~
■ぜひアンケートにご協力下さい■